パンとワイン その2
朝食は、日本の茶碗かどんぶりと同じような容器にカフェ・オレをたっぷり入れて、パンをひたして食べます。
これはほかのヨーロッパの国では行儀が悪いとされますが、フランスでは、紳士、淑女もこの方式。
バターがついているとコーヒーに油がういて、これもよし。
こうして食べるパンは実に美味しいのです。
地方にいくと、どんな小さな村にでも必ずあるのは教会とパン屋です。
日本人は雑食性がありますから、米をたべなくてすむ人も少なからずいるようですが、フランス人はパンなしでは1日もすまないでしょう。
ところで、パンもお国によりさまざま。
イタリアでは口の中の皮がむけるほど皮も中も固い丸いパン。
ローマの友人がパリにくるたびにがつがつ食べたのはハンバーガー。
彼いわく、「ローマにはハンバーガーもない。やわらかいパンはやはりうまい」。
美食の街パリからイギリスへいった日本人が食物で唯一感激するのがトーストでしょう。
食べなれた食パンがあるからです。
ロンドンではバゲットも売っていますが、パリのパン屋では食パンはほぼ見あたりません。
パリの乞食が食べるものは、バゲットと安い赤ブドウ酒。
フランス人の食生活の源はここにありますから、切りつめると最後にはここに戻るのでしょう。
カトリックでは、ブドウ酒をキリストの血に、パンを肉にたとえますが、フランスはほんとうにこれがなるほどとうなずける国です。
